クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
 早くして出産した友人の子供がちょうど三歳になる。その子とよく遊ぶので、こういう子供の言動はすんなりと受け止められる。

「結愛ちゃんは何歳かな?」

 知っているけどあえて尋ねる。

 結愛ちゃんは短い指を一生懸命動かして、三本立てた。

「さんさい!」

「三歳かあ。私は二十五歳だよ」

 右手にピースサインを作り、左手は広げてパーにした。

「にっ……ご、さい?」

「そう。大きいでしょ」

「うん! でも、ちっちゃいよね」

 結愛ちゃんは自分がされたように、私の頭に小さな手をトンッと乗せた。

 あどけない仕草に胸がキュンとする。悶絶している私に代わって、遥人さんが結愛ちゃんの対応をする。

「結愛。小春ちゃんは、小さくて可愛いお姉ちゃんだよな。結愛もちっちゃくて可愛いもんな?」

 一瞬なにを言われているのか理解できなかった。

「ゆあといっしょ。かわいい」

 結愛ちゃんはこくりと頷いて、私の頭を撫でてくれる。

「そうそう。可愛いね」

 遥人さんは、そんな結愛ちゃんの頭を撫でている。

 身体が火照って耳まで熱くなった。
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