クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
 さっきから早く小春とふたりきりになって、こうして抱きしめたいと思っていた。

 俺の余裕のない心の声を聞いたら、小春は笑うだろう。

「ありがとう。俺を父親にしてくれて」

 小春は俺を上目遣いで見て、子供のようなあどけない表情を浮かべた。

「喜んでもらえてよかった」

「あたり前だろう。子供がほしいから子づくりをしていたんだし」

「そうなんですけど。いざ妊娠したと分かったら、いろいろ不安になって」

「昨日も言ったけど、自分だけで抱え込まないでくれ。夫婦って、ふたりでやるものだろう」

「はい」

 強い意思の感じられる返事をもらい、小春を抱きしめる腕の力を弱めた。少し屈んで、小春の唇をすくい上げるようにキスをする。
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