クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
『クレアとコラボしたウエディングドレスを、小春ちゃんに着てもらおう』

「は?」

 なにを言っているんだ。それにさっきから気になっていたんだが、軽々しく彼女の名前を呼ばないでもらいたい。

 俺ですら、結愛の前限定でしか小春ちゃんと呼べないのに。

『遥人が小春ちゃんと交際する。そして結婚する。その時のウエディングドレスを、クレアとの……』

「滅茶苦茶な話だな」

 また同じ説明をしようとした陸の声を遮った。

「俺は広告塔にならないと、前から言っているだろう」

『せっかく俺と同じくらいカッコいい顔しているんだから、少しはメディアに出たらどうだ』

「そういうのは陸がやればいい」

 陸は昔から人の注目を浴びるのが好きだ。だからこれまで受けた経済誌のインタビューなど、露出する仕事は陸が担当している。

『まさかとは思うが、ホウショウアンドカンパニーの副社長が、自分の結婚式を内々に済まそうなんて、そんな馬鹿げた考えは持っていないよな?』

 陸の言い分はごもっともで返答に窮する。

 さすがに身内だけでというのは無理だと分かっている。
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