クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「なにかいいことでもありましたか?」

 コーヒーを持ってきた女性秘書に尋ねられて、パソコンのモニターに向けていた視線を彼女に向ける。

「どうして?」

「すみません。お顔が緩んでいる気がしましたので」

 指摘を受けて顎のあたりを手でさする。緩んでいたのか……。

 自覚がなかっただけに驚かされる。

 彼女とはもう五年の付き合いだ。それ故に俺の些細な変化にも気づくのだろう。

「君はクレアの服は好きか?」

「クレアですか? 素敵ですよね。値が張りますので、気軽に手は出せませんけれど」

「そのクレアとコラボするかもしれない」

「それはすごいですね!」

 秘書は目を輝かせている。物静かな彼女にしてはいつになく興奮した様子。

 陸の言うように、この案件は絶対にものにして大々的に宣伝するべきだ。

「だから副社長、嬉しそうなんですね」

 そういうことにしておいてもらおう。

 好きな女性の顔を思い浮かべて、ニヤついていたとは知られたくない。
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