クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「そうでしたか。それはお相手の方が心配ですね」

 秘書は神妙な顔つきになる。

「でも珍しいですね。副社長がお仕事より他事を優先されるなんて。長く務めさせていただいておりますが、初めての経験のように思います」

「そうか? 祖母によくしてくれているスタッフだからな」

 図星を指されて、とぼける。

 秘書はなにか言いたそうにしたけれど、それ以上詮索するような真似はしなかった。

 今度こそ集中しようと、秘書が出て行ってからは煩悩を退散させた。

 時間になりロイヤルライフ星が丘へと車を走らせる。念のために祖母に顔を見せようと部屋へ向かった。

 早い夕食を済ませた祖母は、テレビを見て寛いでいるところだった。

「早速今日から、白峰さんを送っていくのね」

 祖母は俺の顔を見るなり和やかに微笑む。

 昨日白峰さんと別れた後、改めて祖母に連絡をして事の経緯を説明した。

「今日一日、彼女の様子はどうだった?」

 そこまでゆっくりしている時間はないので立ったまま話を続ける。
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