クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
 だけど普通に考えたらそうなるか。恋人がいる身で、他の男とふたりで出かける女性はいない。彼女のような真面目そうな子は、とくに。

「一応確認した方がいいかなと。そうだ。結愛も一緒にどうだろう?」

『結愛? 連れて行ってもらえるなら、そりゃあ私は助かるけど……いいの? 邪魔にならない?』

 含みを持たせた言い方をされて内心ドキリとする。頼むから変な発言はしないでくれよ。

「いいよ。じゃあ、そうさせてもらうな」

 やり取りを早く終わらせたかったので、伶香の返事もそこそに通話を終わらせた。

 白峰さんの方に身体を向ける。

「というわけで、改めて、どうかな」

「あ、えっと。伶香さんと結愛ちゃんも一緒なんですよね?」

「俺はどちらでもいいけど」

「ええっと。じゃあ、皆で」

 渋々といった様子だけれど、頷いてくれたので安堵する。

 ふたりきりになれないのは残念だが、彼女のプライベートな時間を俺にもらえるだけで大きな前進だし、一緒に過ごすなかで彼女の人となりが分かればいい。
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