クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「結愛が回るところがいいって聞かなくて」

 おそらく遥人さんは、普段回らないお寿司屋さんを利用しているのだろう。

 結愛ちゃんは「わあ~」と呟いて、レーンをキラキラした目で見つめている。

 眺めているだけでも楽しいのかな。可愛らしい姿に癒されて頬が緩む。

 カウンター席に、左から私、遥人さん、結愛ちゃんの順番に並んで腰かける。結愛ちゃんはお子様用の椅子を貸してもらった。

「結愛ちゃんを真ん中にしなくていいんですか?」

「白峰さんにはゆっくり食べてもらいたいから。結愛はまだいろいろとフォローが必要だし」

 レーンは真正面にあり、結愛ちゃんの短い腕では届かない。その方が保護者としては助かるのだけれど。

「いつもチェーン店しか行かないので、おいしそうでびっくりしています」

「それならよかった」

 遥人さんは安心したように表情を柔らかくする。穏やかな笑顔に胸がドキドキした。

 既婚者相手にときめくなんて。

 遥人さんが素敵な男性すぎるのがいけないんだよね。だってほら、近くに座るご婦人も驚いたような顔で遥人さんを眺めているし。

 芸能人がやって来たと思われているんじゃないかな。
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