クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
 それはどこか馬鹿にしているような声音だった。

 私は膨れ上がった激情に逆らわず水輝を睨みつける。

 なんなの? 自分は可愛い女の子と一緒にいるくせに、私が男性といるのは気に食わないって言うの?

 それで相手を蔑むような言葉を吐いて、私だけでなく遥人さんにまで嫌な思いをさせようとしているの?

 付き合っている時は、いつも機嫌がよくて笑顔を絶やさない人だっただけに、あまりの変わり様にショックを受ける。

 遥人さんは表情を消し、威圧的な眼差しを水輝に向けた。

「小春。どなたかな?」

 いきなり小春と呼ばれて心臓が跳ねる。

「あ、えっと……」

 こんな人と付き合っていたなんて、恥ずかしくて口にしたくない。

「知り合いです」

「なんだそれ」

 私の声に重なるように水輝が文句を吐いた。
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