クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
 帰り道は眠気と闘う結愛ちゃんを励ましているうちに、見慣れない場所へ着いていた。

 ホテルのような立派な建物のエントランス前だというのが、かろうじて分かる。

「結愛が限界だから先に帰らすね」

 遥人さんは「ごめんね」と付け足してから外に出て、後部座席のドアを開けた。

「結愛。頑張れ。今寝たら夜眠れないぞ」

「ねむいの~」

 瞼が落ちかけながら、イヤイヤと首を振る結愛ちゃん。

「お帰りなさい」

 そこへ伶香さんが姿を現して、ドアの向こう側から顔を覗かせる。

 きちんと挨拶をしようと慌てて降りようとしたら、「いいのいいの」と手で制された。

「小春ちゃんはそのまま乗っていて」

「いえ、でも」

「今日は楽しかった?」

 一瞬迷ったけれど、「はい」以外の言葉が浮かばなかった。

「それならよかった。結愛も連れて行ってくれてありがとう。おかげで私はゆっくり休めたわ」

 お礼を言わなければいけないのはこっちだ。
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