クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい

　休憩の時に直さないといけない。もっと皮脂に強い化粧品はないかと考え事をしながらアクティビティルームに移動した。

　ここは各々自由に時間を過ごせる空間で、図書棚も用意されている。四人掛けのテーブルが四つと、ひとり掛けのソファが三脚。

　楽しそうにお喋りをしている集団に近寄って挨拶をする。

「おはようございます。横山(よこやま)さん、素敵なお召し物ですね」

「娘がプレゼントしてくれたのよ」

「すごく似合っています。写真を撮って、娘さんに送ったら喜ばれるかもしれませんよ」

「あらっ。いい考えね」

「湯川(ゆかわ)さん。今日は調子がよさそうですね」

「分かるかい？　調子に乗って、ひとりでここまで出てきたんだ」

「あらら。それでも次からは誰か呼んでくださいね」

「おっと。白峰さんが優しいからつい口が滑った。他のスタッフさんには、内緒にしておいて」

　どっと大きな笑いが起きる。

　こうして入居者の方々と雑談を交わしながら、顔色を見て体調などを確認していく。