褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません




「実玖~、帰ろう」

「あっ、トイレ行ってくるから先に行ってて」

「了解。下駄箱のところで待ってるね」



学校が終わり、可南子に先に行っててもらうよう言い残し、トイレがある渡り廊下へ。

西尾先輩とは、デザインの話はテストが終わってからゆっくり話すことにした。


来週からテストだし、今は勉強に集中しよう。



「清水さん、久しぶり」

「あっ……! お久しぶりです!」



トイレを済ませて手を洗っていると、隣に草山先輩がやって来た。

ビックリした……まさかトイレで再会するとは。
最後に会ったのは2週間前だったっけ。



『草山さん、あぁ見えて結構嫉妬深いから、東馬と話す時は気をつけろよ』


ハンカチで手を拭いていると、頭の中で兄の声がよぎった。


うーん……やっぱり、嫉妬深そうには見えないなぁ。すごく落ち着いてるもん。

それに、何度か西尾先輩と話したけど、一度も会ってないし。

よっぽどベタベタしない限り、睨まれることはなさそう。



「……清水さん」

「は、はいっ」
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