褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
翌朝の火曜日。

登校して机にぐったりとうなだれる。


昨夜返事をした後、緊張して全然眠れなかった。

寝つけたのは多分、夜中の1時過ぎ。
いつもは11時台には寝ているから、眠くて仕方がない。


このまま寝たいけど、あと10分くらいで先生来ちゃうしな……。


机に右の頬をつけてボーッと窓の外を見ていると、目の前に清潔感が漂う長身の男子が現れた。



「清水さん、おはよう」

「あ、須川くん……おはよう」



体を屈めてにこやかに挨拶してきた須川くんに、机から顔を上げて挨拶を返した。



「大丈夫? 具合悪いの?」

「ううん。昨日あまり眠れなかっただけ」



席、一番前と後ろで離れてるのに、気遣ってくれるなんて優しいな。

クラスの雰囲気がいいのも、須川くんが委員長をやっているからかも。



「もしかして夏バテ?」

「そうなのかなぁ……」



毎年この季節になると、暑さで食欲が失せてしまう。

先週、西尾先輩との話し合いがない日の放課後、雪塚先輩と部活中に話したのだけど、彼女もこの季節は食欲不振で痩せちゃうらしい。

今のところはまだ大丈夫だけど、だんだん減っていっちゃうんだよね。
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