褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません


「ねぇねぇ! 動物の話してるの?」



動物の話で盛り上がっていると、後ろから須川くんがキラキラした目で会話に入ってきた。



「うん、犬と猫の話してて……」

「猫⁉」



猫という単語に激しく反応すると、席を立って私達のところまでやってきた。

もしかして猫好きなのかな?



「須川、猫好きなの?」

「うん! 俺ん家、猫2匹飼ってるんだ。この子達! タマとマルって名前だよ!」



見せてきた白猫と黒猫の写真。

白猫がタマで黒猫がマルとのこと。
名前の由来は、ボールの「球」と「丸い」から。

ボールはサッカーボールのことかな? 白黒だし。



「キャ~! 可愛い〜! この子達はどこで出会ったの?」

「お父さんの友達が飼っている猫に子どもが生まれて貰ってきたんだ。家族全員猫大好きで、ずっと前から飼いたいねって言ってたから、その連絡受けてすぐにみんなで猫グッズを買いに行って……」



猫好きスイッチが入った須川くん。
話が止まらない。

念願の猫達は須川くんが中学生の時にやってきたそうで。

今は落ち着いているけれど、当時は勉強に支障が出るくらい溺愛していたらしい。
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