褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
「そうだ! さっき実玖と話してたんだけど、GW空いてるなら須川も一緒に猫カフェに行かない?」

「いいね! 猫に詳しい人がいると、より楽しめそうだし」

「いいの⁉ ありがとう!」



遊びに誘うと、須川くんは満面の笑みではしゃぎ始めた。


何を着て行こうかな。

可南子とは小学生の頃から何度も遊んでるから、どんな服を着ようかって気にしたことがなかったんだよね。

服屋さんにはよく行くけれど、流行チェックが目的だから、あまり買わないんだよなぁ。


「服のデザイン描いてるくせに私服ダサいな」って思われないようにしないと。



────
──



「……というわけなんです」

「うーん、そうだなぁ」



放課後。
部室で絵を描きながら、昼休みの出来事を雪塚先輩に話した。



「あまり深く考えなくても、自分の好きな服を着たらいいと思うよ? 実玖ちゃんはどんな服が好きなの?」

「あー……」



雪塚先輩の返答に言葉が詰まる。


体型が気になり始めたのをきっかけに、好きな服よりも体型を隠す服を選ぶようになった。

そのため、クローゼットの中には好きな服が全然入っていないのだ。
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