Livre magic〜温もりと冷たさ〜
「大丈夫?エリカ、シャルロット」

物の怪が消え、地面に降ろされたエリカとシャルロットにノワールが訊ねる。シャルロットは「ありがとうございました」とスカートを持ち上げてお礼を言い、エリカは「先生
!!」とノワールに抱き付いた。

「先生、記憶が戻ったんですね……!よかった……!」

エリカに抱き付かれ、ノワールは顔を赤く染める。いつものノワールだとカズとメルキュールは笑っていた。しかし、リオンだけは笑うことができない。ノワールとメルキュールが隠していることが気になっているからだ。

「ノワール、メルキュール」

リオンは訊ねようと思い、口を開く。全員がリオンの方を向いた。その時。

「……余計なことばかりしやがって!」

聞き慣れた声がしてリオンたちは振り返る。そこには、黒いマントを羽織ったオズワルドが冷たい目をして立っていた。







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