肉食系男子に、挟まれて【完結】


「……な、何よ。さっきからあんた達。
疎いのよ、私」


まあ、好み教頭先生だもんな。
演歌歌手とかなら詳しそうだ。

それも、渋いの。



「今人気の女性歌手ですよ。名前とか聞いた事ありません?」

「ない。テレビつけないし、音楽も聞かない。
見るのはダウンタウンが出てる番組と大河ドラマのみ」

「……そ、うですか」


あの山本先生が、たじろいでいる。引いている。
辻先生、やはり尊敬だ。



「とにかく、曲を知らない事には弾けないし、後で先生方にCD聞かせるので」



既に前途多難だ。
MAY知ってるの、私と山本先生ぐらいじゃないのか。


だが楽譜と音楽を聞かせたら、意外と先生方は知っていて、辻先生が目を真ん丸にしていた。
生徒が知っていたり、紅白に出ているから、それの影響らしい。


教頭先生が知っていたのには驚いたけど。
理由は子供が聞いていてとか。


うむ、既婚者強し。



放課後になり、音楽室でピアノに向かい鍵盤を叩いてみるが、まあ、ブランクってのは怖い物で、中々手が動かない。


こりゃあ、本格的に練習が必要だな。
朝も早めに来るかあ。


初日は簡単な楽器練習で終わった。
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