肉食系男子に、挟まれて【完結】
「お疲れ様です、文化祭まで期日も短いですし、頑張りましょうね」
「やるからにはいいモノ作ろうじゃないか」
と、教頭先生の喝も飛び、先生方の気合いは十分だ。
「安西先生、お疲れ様です」
山本先生は、すぐに私に近寄るとそう声をかけて来る。
楽譜を整えながら、私も返す。
「お疲れ様でした」
「一緒に帰りません?」
「結構です」
「ええ。ついでですから」
「何のですか」
意味不明ですから。
本当はこの後辻先生と飲みに行きたかったのに、なくなってしまったのだから。
音楽室を出て、職員室に向かう途中。
窓から体育館に明かりが点いてるのを見付けて足を止めた。
「練習かな」
ぼそっと呟くと、すぐに山本先生が反応する。
「ブラバンみたいですよ~」
って事は、久住君かな?
何をやるのか興味がある。
少し覗きに行くか。
私は山本先生を無視しながら、体育館へと進む。
だけど、後ろから付いて来る山本先生。
……何で付いて来るの。