悪役令嬢リーゼロッテ・ベルヘウムは死亡しました
「とはいってもわたくしたちの住まいより内側でしょう」
ルーンの言葉にレイアがそっと添えた。
「どうしてまたそんなところに」
竜ってもっとドランブルーグ山岳地域・不可侵山脈の奥地に住んでいるものだと思っていた。
「わたくしたち黄金竜は卵を産む時期になると神経質になってね。あまり他の竜の気配がないところを好むのよ」
「山脈の中心にもなると竜の住まいも多いし、水辺は青銀竜もいるでしょう。それに黒竜とのいざこざもあったりするし」
「前の住居近くで黒竜が暴れたの。それで、こちらに移動してきたのよ」
青銀竜は水辺を好む竜で、水の魔法に長けた種族だと聞いている。その名の通り鱗が生銀色に輝いているんだって。
わたしは実物を見たことが無いけれど(前世でゲームをプレイしていた時も含めて)。黒竜は黄金竜や青銀竜と違って知性を持たない獰猛な竜だ。その名の通り黒い頑丈な鱗を持ち、動物や竜を食い殺す恐ろしい存在。個体数は少ないけれど、魔法力は高いので、各国魔法警備隊に力を入れているのは黒竜対策の意味もあったりする。
「ということはルーンはもうすぐお母さんになるってことですか?」
「ええ、そうなの」
ルーンは少しだけ不安そうに微笑んだ。
わたしは出会った頃レイアから聞かされた黄金竜の子育てについて思い出した。繁殖力がとても弱い種族だと言っていた。卵を産んでもその半数も孵化しないと。
「魔法壁を張っているからわたくしたちの住まいが見つかることは無いと思うのだけれど。今まで人の気配を感じたことが無かったのに、少し心配で」
「きっと山菜やら薬草を採りに来ている村人だと思いますよ」
「人間は夢中になると自分のいる場所を忘れてしまうものね」
ふふっとレイアが思い出し笑いをする。
「このあたりにも人間が迷い込んだことがあるの?」
わたしは気になって聞いてみた。
「すぐ近くまで、ということはないけれど。例えば人の作った国にいられなくなった人間がこちら側に家を作って住むなんて例はあるわね。わたくしたち竜も、少量の人間に関してはお目こぼしをしているの。人の国の山や森に住まう奇特な竜も存在するから。というかわたくしの従兄がそのたぐいの竜なのだけれどね」
「えっ!」
「ここだけの話、わたくしの従兄はあなたの出身国シュタインハルツ王国で暮らしているのよ。人間にまぎれて」
「へ、へえ……そうなんですか」
ルーンの言葉にレイアがそっと添えた。
「どうしてまたそんなところに」
竜ってもっとドランブルーグ山岳地域・不可侵山脈の奥地に住んでいるものだと思っていた。
「わたくしたち黄金竜は卵を産む時期になると神経質になってね。あまり他の竜の気配がないところを好むのよ」
「山脈の中心にもなると竜の住まいも多いし、水辺は青銀竜もいるでしょう。それに黒竜とのいざこざもあったりするし」
「前の住居近くで黒竜が暴れたの。それで、こちらに移動してきたのよ」
青銀竜は水辺を好む竜で、水の魔法に長けた種族だと聞いている。その名の通り鱗が生銀色に輝いているんだって。
わたしは実物を見たことが無いけれど(前世でゲームをプレイしていた時も含めて)。黒竜は黄金竜や青銀竜と違って知性を持たない獰猛な竜だ。その名の通り黒い頑丈な鱗を持ち、動物や竜を食い殺す恐ろしい存在。個体数は少ないけれど、魔法力は高いので、各国魔法警備隊に力を入れているのは黒竜対策の意味もあったりする。
「ということはルーンはもうすぐお母さんになるってことですか?」
「ええ、そうなの」
ルーンは少しだけ不安そうに微笑んだ。
わたしは出会った頃レイアから聞かされた黄金竜の子育てについて思い出した。繁殖力がとても弱い種族だと言っていた。卵を産んでもその半数も孵化しないと。
「魔法壁を張っているからわたくしたちの住まいが見つかることは無いと思うのだけれど。今まで人の気配を感じたことが無かったのに、少し心配で」
「きっと山菜やら薬草を採りに来ている村人だと思いますよ」
「人間は夢中になると自分のいる場所を忘れてしまうものね」
ふふっとレイアが思い出し笑いをする。
「このあたりにも人間が迷い込んだことがあるの?」
わたしは気になって聞いてみた。
「すぐ近くまで、ということはないけれど。例えば人の作った国にいられなくなった人間がこちら側に家を作って住むなんて例はあるわね。わたくしたち竜も、少量の人間に関してはお目こぼしをしているの。人の国の山や森に住まう奇特な竜も存在するから。というかわたくしの従兄がそのたぐいの竜なのだけれどね」
「えっ!」
「ここだけの話、わたくしの従兄はあなたの出身国シュタインハルツ王国で暮らしているのよ。人間にまぎれて」
「へ、へえ……そうなんですか」