悪役令嬢リーゼロッテ・ベルヘウムは死亡しました
「森の精霊たちに頼んでおくわね。できるだけ木陰をつくってあげてねって。あと、子供たちのこともよろしくね」
レイアは流れるように言葉を紡いでからゆっくりと空へと飛び立った。
黄金色の竜が一頭、青い空に映えている。わたしは上を向いて大きく手を振った。
「いってらっしゃーい」
レイアにわたしの言葉が届いたのかは分からないけれど、彼女は二回ほどその場で旋回してから飛び去って行った。
◇◆◇
「竜の赤ちゃんいつ生まれるのかな」
「わたしよりも小さいんでしょう」
「このくらいだよ」
その日、フェイルとファーナはルーンの生む卵の話ばかりをしていた。
竜の姿の二人の言う小さいってどのくらいか。わたしは想像してみる。
人間のひざ丈くらいかな。それとももっと小さい?
うーんわからない。
「どのくらいしたら一緒に遊べるのかな」
「一緒に空飛べる?」
「そうねえ。いまのあなたたちくらいに成長してからじゃないかしら」
レイアは苦笑を交えて教えてくれた。
「じゃあ二十年くらい?」
「二十年よりもうちょっと待たないと」
レイアたちの答えにわたしは、そうか黄金竜だもんねと心の中で付け加える。見た目が幼いからつい忘れがちになるけれど、この二人も三十をやっと超えたとかなんとかレイアが前に言っていたっけ。人間よりも寿命が長い種族だから、年齢の感覚も人間と違うんだよね。つい忘れそうになるけれど。
「長いなぁ」
「長いねぇ」
二人はふぅっとため息を吐いた。
「そんなにも会えないものなの?」
「この子たちを育てている間のレイアもそれはもう神経質になっていて大変だったからねぇ」
ミゼルが教えてくれた。
「だって、黄金竜は本当に育ちにくいのよ」
心当たりがあるのかレイアが抗議するようにミゼルの体に顔をこすりつける。
「だからフェイルもファーナもちょっとの間我慢するんだよ。生まれた子供がいまのきみたちくらいまで丈夫に育てば一緒に遊べるようになるから」
ミゼルの言葉に二人は「はあい」と揃えて返事をして、それから甘えるように体をくっつける。
竜の姿の家族団らん風景がほんわかしすぎていてこっちまで心が温まる。
「じゃあ大きくなったらリジーも一緒に行こうね」
「一緒に遊びに行こうね」
「そ、そうね……」
あはは、と笑ってわたしはお茶を濁した。
あと三十年後って、わたし何やってんだろ……。
◇◆◇
レイアは流れるように言葉を紡いでからゆっくりと空へと飛び立った。
黄金色の竜が一頭、青い空に映えている。わたしは上を向いて大きく手を振った。
「いってらっしゃーい」
レイアにわたしの言葉が届いたのかは分からないけれど、彼女は二回ほどその場で旋回してから飛び去って行った。
◇◆◇
「竜の赤ちゃんいつ生まれるのかな」
「わたしよりも小さいんでしょう」
「このくらいだよ」
その日、フェイルとファーナはルーンの生む卵の話ばかりをしていた。
竜の姿の二人の言う小さいってどのくらいか。わたしは想像してみる。
人間のひざ丈くらいかな。それとももっと小さい?
うーんわからない。
「どのくらいしたら一緒に遊べるのかな」
「一緒に空飛べる?」
「そうねえ。いまのあなたたちくらいに成長してからじゃないかしら」
レイアは苦笑を交えて教えてくれた。
「じゃあ二十年くらい?」
「二十年よりもうちょっと待たないと」
レイアたちの答えにわたしは、そうか黄金竜だもんねと心の中で付け加える。見た目が幼いからつい忘れがちになるけれど、この二人も三十をやっと超えたとかなんとかレイアが前に言っていたっけ。人間よりも寿命が長い種族だから、年齢の感覚も人間と違うんだよね。つい忘れそうになるけれど。
「長いなぁ」
「長いねぇ」
二人はふぅっとため息を吐いた。
「そんなにも会えないものなの?」
「この子たちを育てている間のレイアもそれはもう神経質になっていて大変だったからねぇ」
ミゼルが教えてくれた。
「だって、黄金竜は本当に育ちにくいのよ」
心当たりがあるのかレイアが抗議するようにミゼルの体に顔をこすりつける。
「だからフェイルもファーナもちょっとの間我慢するんだよ。生まれた子供がいまのきみたちくらいまで丈夫に育てば一緒に遊べるようになるから」
ミゼルの言葉に二人は「はあい」と揃えて返事をして、それから甘えるように体をくっつける。
竜の姿の家族団らん風景がほんわかしすぎていてこっちまで心が温まる。
「じゃあ大きくなったらリジーも一緒に行こうね」
「一緒に遊びに行こうね」
「そ、そうね……」
あはは、と笑ってわたしはお茶を濁した。
あと三十年後って、わたし何やってんだろ……。
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