悪役令嬢リーゼロッテ・ベルヘウムは死亡しました
 ギーセンはテーブルの上に置いていったそれらを丹念に見聞していく。

「この人、薬草について詳しんでしょうかねぇ?」
 こそこそっとティティがわたしに話しかけてきた。声色はかなり疑っている。
「ちょっと、失礼よ」

 わたしは一応ティティをたしなめておくが、内心こっそり同意しておく。
 まあわたしもちょっと思ったし。

 なんか、前世で漫画本を某ブッ〇オ〇に売りに行ったときのことを思い出して、少し苦笑する。この待たされる感じ、胸が妙にざわついてあまり好きじゃない。

 ちなみに今世ではお嬢様に生まれたから中古ショップにものを持ち込むなんて行為はこれが初めて。あ、でもバッドエンドから逃げ出すために宝石とか準備していたんだっけ。結局双子に拉致られて持ってこられなかったけど。

 わたしが取り留めもないことを考えている間もギーセンの品定めは続いていて、わたしは暇になったので店内を見て回ることにした。

 わたしよりもだいぶ前に待つことに飽きていたティティはすでに店内を自由に見て回っている。
 王都のおしゃれブティックならわたしも行ったことがあるけれど、そこと比べるのはよくないよね。うん、わかってるって。店内は雑多に物が積まれていて、これどこまでさわってみてよいものか、というくらいに物が多い。生活用品から農具に使いそうなもの、それから瓶に入った薬草(だよね……?)や角灯、隅には人形もあった。

「おお……夜、目が合ったら呪われそうですね」
「ティティったら」

 小さな声でそんなことを言ってくるティティだが、内心十分にあり得そうなくらい人形はいい感じに年代を感じさせてくれる。ガラスの目がちょっと、怖い。

「終わったよ、値付け」
「ひゃっ……」

 人形を眺めていた時にふいに声を掛けられたわたしはつい小さく悲鳴を上げてしまった。
 わたしは取り繕うようにすました顔をしてギーセンの待つテーブルへと戻った。

「うん、これとこれが……」

 そのあとはギーセンが示す値段を聞いて、相場も良く分からないわたしは彼の言ったとおりの値段で薬草を売り払うことにした。値段の内訳を聞いていって「じゃあこれとこっちの根っこが比較的需要があるのね」とか「他にも値段が付きやすい物はあるの?」とか色々と聞いていく。
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