悪役令嬢リーゼロッテ・ベルヘウムは死亡しました
とはいえずっと魔法学校に在籍をしていたし、周りは当然お金持ちばかり。おしのびで街に出かけたときに商店を覗いたり、街の人と世間話をしてさりげなく家賃などの話題を混ぜてみる程度のことしかできなかったけれど。
「一人暮らしというという設定で、これだけあれば下町の家賃半年分くらいってところかしら……?」
と、考えると悪くはない金額だ。
「下町ですかぁ……」
ふうむ、とティティは天を仰いだ。
「ずっとレイアたちといるティティには分からない感覚よね」
「面目ないですぅ」
「精霊なんだから逆に詳しかったらびっくりよ」
「わたし帰ったらグレゴルンの書物をひっくり返しますぅ」
だからグレゴルンって一体誰なんだろうね。
歩きながらティティと話していると、さきほどギーセンの店について教えてくれた女性陣のうちの一人が声を掛けてきた。
「ちょいと、お嬢さん。用事は済んだかい?」
栗毛色の髪をした女性だ。
「ええ、まあ」
「そうかい。せっかくなんだからなにか欲しい物があればうちで用立てることもできるよ」
なるほど。生活物資が欲しくて人里にやってきたのだろう、と思われているわけだ。
「女性なら色々と物入りだろうしね」
女性はなおもにこやかに話しかけてくる。
経済ってこうやって回っているのかもね。
「あなたはお店をやっているの?」
「いんや。ただギーセンの店はいろんなものを置いているだろうけど、女性の細やかなものは揃っていなかっただろう?」
「お人形はありましたよぉ」
ティティが口を挟んだ。
「ああ。あの古ぼけた人形ね。あれ、もう二十年はあそこに置いてあるから。うちの子供も昔大泣きしてねぇ」
三歳くらいのことだったかねぇ、と彼女は続ける。
「虫よけとか、清潔な布とか、化粧水とか軟膏とか、そういったもので必要なものはない?」
「そうね……」
虫よけはちょっと、いやかなり気になるかも。
化粧水とかの美容関係はティティが用意しれくれるから必要ないとしても、久しぶりに自分の手であれやこれ見るのも悪くないし。
「じゃあちょっとだけ」
わたしは頷いて、彼女についていく。
道中、彼女はザーシャと名乗った。この村で生まれ育って、人形を怖がって泣いた子供は現在十一歳とのこと。将来の夢は兵隊だそうだ。
「ちなみに、この村の名前って?」
「ああ、ここはフリュゲン村さ」
「一人暮らしというという設定で、これだけあれば下町の家賃半年分くらいってところかしら……?」
と、考えると悪くはない金額だ。
「下町ですかぁ……」
ふうむ、とティティは天を仰いだ。
「ずっとレイアたちといるティティには分からない感覚よね」
「面目ないですぅ」
「精霊なんだから逆に詳しかったらびっくりよ」
「わたし帰ったらグレゴルンの書物をひっくり返しますぅ」
だからグレゴルンって一体誰なんだろうね。
歩きながらティティと話していると、さきほどギーセンの店について教えてくれた女性陣のうちの一人が声を掛けてきた。
「ちょいと、お嬢さん。用事は済んだかい?」
栗毛色の髪をした女性だ。
「ええ、まあ」
「そうかい。せっかくなんだからなにか欲しい物があればうちで用立てることもできるよ」
なるほど。生活物資が欲しくて人里にやってきたのだろう、と思われているわけだ。
「女性なら色々と物入りだろうしね」
女性はなおもにこやかに話しかけてくる。
経済ってこうやって回っているのかもね。
「あなたはお店をやっているの?」
「いんや。ただギーセンの店はいろんなものを置いているだろうけど、女性の細やかなものは揃っていなかっただろう?」
「お人形はありましたよぉ」
ティティが口を挟んだ。
「ああ。あの古ぼけた人形ね。あれ、もう二十年はあそこに置いてあるから。うちの子供も昔大泣きしてねぇ」
三歳くらいのことだったかねぇ、と彼女は続ける。
「虫よけとか、清潔な布とか、化粧水とか軟膏とか、そういったもので必要なものはない?」
「そうね……」
虫よけはちょっと、いやかなり気になるかも。
化粧水とかの美容関係はティティが用意しれくれるから必要ないとしても、久しぶりに自分の手であれやこれ見るのも悪くないし。
「じゃあちょっとだけ」
わたしは頷いて、彼女についていく。
道中、彼女はザーシャと名乗った。この村で生まれ育って、人形を怖がって泣いた子供は現在十一歳とのこと。将来の夢は兵隊だそうだ。
「ちなみに、この村の名前って?」
「ああ、ここはフリュゲン村さ」