Dying music〜音楽を染め上げろ〜
如月くんを勧誘しようとして数日が過ぎた。
…進展なし‼︎
直接会って話したいんだけど,教室には来てないし。知ってることは茶髪でギターが弾けて保健室登校してるってことだけ。
いや,情報量少なすぎだろ。
「おーす!」
考えていると怜斗がやってきた。
「なんか情報あった〜?」
「ゼロよ。」
「そこで提案なんですけど,あの2人に直接聞いてみるってのは?」
「え?2人って?」
「あの2人」
そう言って指さしたのは佐野さんと風間さん。
「えっ,お、俺が?」
「もち。」
「俺話したことねぇよ?」
「いーからよぉ。それじゃあいつまでも会えないだろー。」
う〜〜〜ん…仕方ない…。
席を立つと窓際で話している2人のところへ行った。
「あのさっ」
「「??」」
あ,やべ…
「どうかした?」
佐野さんが聞いてくる。何から言おう…
「あの,急でごめんなんだけど,2人って如月くんと友達?」
「如月…あ,夏樹のこと?うん。そうだけど?」
「夏樹がどうかしたぁ?」
「俺,今軽音楽部の部員勧誘してるんだけど,如月くんを誘いたくて。いつ学校来てるかわかる?」
2人は黙って顔を見合わせた。しばらくすると
「何なら会ってみる?」
へっ?会う?
「夏樹は毎週月,水,金に保健室登校してるよ。だいたいいつも昼休み後に帰っちゃうかな?」
週3日か。
「ありがとう!」
「いいよ〜全然♪」
ペコっと頭を下げて戻った。
色葉が,
「…あれ?今ウチら"如月くん“って言われたっけ?」
「そうじゃん。あっち分かってないんだ。」
「まぁあれは間違えてもおかしくないもんねぇ〜♪」
「面白いからいいんじゃない?(笑)」
水曜日の昼休み,3人は保健室に行った。
「やっぱり俺行きたくない。」
怜斗が言い出した。
「右に同じく。」
「え〜…やっぱ気まずい?」
涼が聞く。怜斗は,
「気まずいのもあるし,怖ェよ。しかも相手にアポなしで行くんだぜ?」
んーまぁなぁー…でも考えている余裕もないし。ー行くか。
「よっしゃ行こう」
「話聞いてた⁈」
無視してドアを開ける。
「失礼しまーす。」