消費期限切れのチョコレート
2月6日

side日向

▪️2月6日▪️
side日向

ピーンポーン♪

「はい、はーい!
ちょっと待っててー」

やばい、どうしよう。昨日深夜ドラマ観てて夜更かししてたから寝坊しちゃって全然用意できてない‼︎

寝癖はそんなないから、髪整えなくていいよね!

これ以上待たせると怒らせちゃうしね…
まぁ、いっか。

そんな女子力の欠片もないことを思っている私は花咲 日向(はなさきひなた)16歳である。

「お母さん、いってきまーす」

そう言って急いで玄関のドアを開けると、家の前に綺麗な男の子の姿が既にあった。どうやら相当怒ってるらしい…

「み、みーくん?お、おはよう…
支度遅くて怒ってる?」

「いや、毎週この日だけ寝坊するお前の学習能力のなさに呆れてるだけだ。だから、何度も録画だけにしとけって言ってるだろう。」

「録画はしてるけど、別にその時間に見たっていいじゃん!録画はもう一度見るためにとってあるだけ‼︎」

あっそ、と言って歩き出した彼は月宮 湊
(つきみやみなと)。私とは同級生、幼馴染で私の好きな人だ。

毎週のように寝坊する私を呆れながらも毎日一緒に登下校してくれる、とても優しい人だ。

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