訳アリなの、ごめんなさい
すやすやと、胸の中で眠る妻を見て、安堵の息を漏らす。


まだ顔色は青白いものの、リラが用意した食事をしっかり取ったアリシアは、侍女の手助けで身体を清めて、今は自分の傍らですやすやと寝息を立て始めた。

その手はギュっときつく自分の寝巻きを握っている。まるで離れたくないと言ってくれているようなその様子に、心の底から安堵した。


結婚をする時も、彼女は自分の意思では絶対に首を縦に振る事は無かった。

あれだけ強固に彼女が自分の求婚を拒否した理由が今になって分かった。

今度こそ彼女は俺とは一緒にはいられないと言い出すのではないかと、怖かった。

だから彼女に決定的な言葉を言わせる前に自分の思いを全て伝えた。


そして、無理ならば一緒に死のうと、、、全て本心だった。

彼女のいない人生なんて考えられないし、彼女が他の男の物になる事なんてさらに考えられない。


多分彼女も多少なり同じ思いでいてくれたのではないかと思う。


彼女と触れている部分がとても温かい。

この温もりが腕の中にある喜びを、噛みしめながら眠りについた。
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