燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~


 私は自分の手をぎゅうと握りしめると、

「私はそれを聞いても、やっぱり今も先生とキスしたいって思うし」

 先生ちゃんと聞いて。
 私の気持ち。

「それを聞いても、やっぱり好きだって思ってます」

 これが今の、私の気持ち。「先生が変だって言うなら、きっと私も変なんですよ」


 私が言うと先生はまっすぐ私の方を見た。その目は少し潤んでいるように見えて、私はその目を見て頷く。




「先生がどんな人間で、どんな最初の夜でも……。私はやっぱり先生が好きです。3か月間の私も、それを許しちゃえるくらい、先生のことが心底好きだったんだと思います」


 私もその日の場面だけで、3か月間を全部思い出したわけじゃないし、
 私にもこれが真実かどうかなんてわからないけど……。

 ねぇ、『3か月間の私』。
 あなたはそんな風に思ってたから、あんなに楽しそうな写真を残したんじゃないの?

 だからね。
 もしほんの少し心にわだかまりがあったとしても、こんなこと言う私を許して。



「だからいいです。ぜーんぶ、許します。っていうか許すも何も忘れてるし。もし、思い出したとしても先生のこと、私は絶対に許すから」



―――これで間違ってないよね?

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