燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
私はその日、家に帰ってからネットレンタルでドラマを見ていた。
ドラマや映画が好きな私のために、先生はなぜかネットレンタル系各社を契約していて、見ようと思えば何でも見られる状況ではあったのだ。
私は例のドラマを探し出して、見始めていた。
そのうち先生が帰ってきたけど、その気配を感じないくらい、私はそれに熱中していた。
だって、すごく懐かしくて。
そして……。
私はこの主人公の女の子と自分が重なって見えてしまったのだ。
「何見てるの?」
「あ、これ昔のドラマで……私が高校生の時にやってて。懐かしいなぁと思って」
先生は、それをチラリとみると、
「これ『運命の恋』っていうの? これもしかして漫画ある?」
と言い出した。
「そうなんです。なんで知ってるんですか? 少女漫画ですよ?」
「……ま、色々ね」
天馬先生は何を思い出したのか、苦笑した。
「私これ、高校生の頃に嵌ったドラマで、そのあとドラマから漫画になったみたいです。普通は逆なんですけど、珍しいパターンで」
「つばめが、僕と一条に似てるって大喜びしてたやつだよね」
天馬先生も覚えてたか……。
私は笑って誤魔化す。
だってね。今見てみると確かに……。
「でもこうしてみると、あまりお二人に似てないですね。この女優さんはかわいいけど、一条先生は美人だし」
「ならよかった。また一条と僕がお似合いとか言い出したらどうしようかと思ったよ」
天馬先生は苦笑しながら、スーツを脱いでネクタイを緩める。
私はそういう仕草にいちいちドキリとして、目をそらしてまた画面に目を移す。