結ばれる運命!?
仕方がない、降りよう。



「降ります〜!」



周りの人に呼びかけ、なんとか降りる。

駅から家までは、徒歩10分ほど。

6月の夜は風が涼しく心地よかった。



「あの人、電車にいた気がしたんだけどなぁ」



ほんの一瞬見えただけなので定かではないが、あんな顔はそうそう居ないだろう。

会社が同じなんだし、同じ電車に乗っていても不思議な話ではないし。



ガチャガチャ…パチン



家の鍵を開け、部屋の電気をつける。

ただいま。今日もよく頑張ったぞ、自分。

夜ご飯を作ろうと、冷蔵庫を開けた瞬間だった。

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