生贄になる予定が魔界の王子に頭突きを食らわせてしまいました
 前略、父上様 母上様


 どこか遠い空の上で、元気にしていますか?

 あなたたちの娘のアリシアは

 いきなり神の花嫁なんていう生贄に選ばれたと思ったら

 何故か魔界の王子に頭突きを食らわせて魔界に保護されました。

 そのあとはここには書けないあんなことやそんなこと、え? ちょっと待ってよこんなことまで?!

 と色んなことを経験して目がまわりそうでした。

 世の中にはまだまだアリシアが知らないことがいっぱいあるんですね。


 知らなかったことと言えば、

 魔界の住人たちはとっても親切です。

 昨日も初めての経験に気を失ったアリシアにとっても優しくしてくれました。

 目を覚ましたら、白いレースがいっぱい付いた可愛い寝間着を着せられていて

 隣では美女、もといこの国の王子様がニコニコこちらを見つめながら寝そべっていました。

 ……ずっと寝顔を見られていたのかな。


 そしてまだ陽が昇ったばかりなのに、お風呂の用意をしてくれました。

 お風呂は神殿の巫女たちが何人入っても大丈夫なんじゃないかと思うほど大きかったです。

 お湯を沸かすために鬼火を出してくれた赤鬼は、朝早くから呼びだされたのに嫌な顔ひとつしませんでした。

 着替えを手伝ってくれたメイドさんはモフモフとした獣耳としっぽが可愛くて、

 食事を用意してくれた執事さんはおでこに生えたウロコがキラキラしていました。


 そしてご飯の美味しいこと美味しいこと!

 王子が嬉しそうにおかわりをすすめてくれるので、4回もおかわりをしちゃいました。

 今まで見たこともない宝石みたいなケーキも食べました。

 今着ているスミレ色のドレスもまるでお姫様みたいです。

 ……父さん母さん、アリシアは堕落してしまいそうです。


 それではまた、楽しい報告ができることを祈って。


 草々
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