生贄になる予定が魔界の王子に頭突きを食らわせてしまいました
クライヴェルを起こさないように気を使いながら頭を芝生の上に移動させ、男の子のもとへと小走りで近づく。
「大丈夫? けがはない?」
「ボ、ボク、うぇっ」
「うん。どこも血が出たりしてないみたいね。ほら、痛いの痛いの飛んでけぇ!」
神殿でよくけがをした子供にかけてやっていたまじないを唱えると、男の子はパチパチと瞬きをして楽しそうにはしゃいだ声をあげた。
「あはは何それ! おもしろーい!」
「痛いのがどこかに行っちゃうおまじないよ」
そう言って頭を撫でてやると、ギョロリと額に三つめの目が開いた。わお。
(び、びっくりした)
さすがに今のは心臓に悪い。
「あ! ママだ! おねえちゃんありがとー! じゃぁねー!!」
慌ててこちらに駆け寄ってくる母親らしき女性は一つ目だった。
(と言うことはお父さんが……?)
ぺこぺことこちらに頭を下げる女性に手を振り返し、仲良く手を繋いで戻る親子を見送る。
(家族、かぁ……)
少し感傷的な気分になって振り返ると、いつの間にか起き上がっていたクライヴェルと目が合った。
手招きされて側まで戻ると足の間に座らされて後ろから抱きこまれる。
耳にかかる吐息がくすぐったい。
「今のは洗濯係のマーサの子供ですね」
「お城で働いている人を全員覚えているの?」
「はい。城に出入りする者の名前と顔はほぼ把握していますよ。ここには王が暮らしていますから。それに城に仕えていてくれる彼等のおかげで王族の生活は成り立っているので」
「ヴェルって頭良いのね……」
簡単なことのようにクライヴェルは言うがこの城は決して小さくはない。
働いている人数だって相応だろう。
彼は本当に王子という立場に誇りを持って民を愛しているのだ。
「ところでアリシア」
「大丈夫? けがはない?」
「ボ、ボク、うぇっ」
「うん。どこも血が出たりしてないみたいね。ほら、痛いの痛いの飛んでけぇ!」
神殿でよくけがをした子供にかけてやっていたまじないを唱えると、男の子はパチパチと瞬きをして楽しそうにはしゃいだ声をあげた。
「あはは何それ! おもしろーい!」
「痛いのがどこかに行っちゃうおまじないよ」
そう言って頭を撫でてやると、ギョロリと額に三つめの目が開いた。わお。
(び、びっくりした)
さすがに今のは心臓に悪い。
「あ! ママだ! おねえちゃんありがとー! じゃぁねー!!」
慌ててこちらに駆け寄ってくる母親らしき女性は一つ目だった。
(と言うことはお父さんが……?)
ぺこぺことこちらに頭を下げる女性に手を振り返し、仲良く手を繋いで戻る親子を見送る。
(家族、かぁ……)
少し感傷的な気分になって振り返ると、いつの間にか起き上がっていたクライヴェルと目が合った。
手招きされて側まで戻ると足の間に座らされて後ろから抱きこまれる。
耳にかかる吐息がくすぐったい。
「今のは洗濯係のマーサの子供ですね」
「お城で働いている人を全員覚えているの?」
「はい。城に出入りする者の名前と顔はほぼ把握していますよ。ここには王が暮らしていますから。それに城に仕えていてくれる彼等のおかげで王族の生活は成り立っているので」
「ヴェルって頭良いのね……」
簡単なことのようにクライヴェルは言うがこの城は決して小さくはない。
働いている人数だって相応だろう。
彼は本当に王子という立場に誇りを持って民を愛しているのだ。
「ところでアリシア」