捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
その事実が俺を混乱させる。紗耶香と話をしなければそう思うのに、紗耶香の話をする気のない態度に、俺との生活を嫌がっているのが解る。
それに俺も簡単に息子のために気持ちを切り替えて、すべて水に流せるほど、昔半端なきもちで紗耶香と一緒にいなかった。
そんなこんなんで、つい嫌味のようにいってしまう俺。
『あなた以外の愛人になったことなんてない』
その言葉が突き刺さる。俺は愛人だなんて思った事もなかったし、それが本当ならば……。
俺は自分のしたことに恐怖すら感じた。
俺は……どこで何が間違ったのか、確かめなければいけないのは解っているが、どこから何を……。
ドクドクと自分の胸の音が煩い。もしかしたら俺はどんでもないことをしでかしたのではないかと思ってしまう。
寝室に戻れば、さっきまでぐっすり眠っていた瑠偉がいない。