捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
その表情と、紗耶香の声に俺が間違っていたことに気づく。
「ネクストの社長と関係があり、情報を漏らしていると密告があったんだ」
そこまで俺が行ったところで、「もういい」絞り出したような紗耶香の声が聞こえた。
「もういいってどういう意味だ」
訳が分からなくて問いかければ、いつの間にか紗耶香は涙を拭うと、窓の外に視線を向けた。
「紗耶香、違ったのか?」
信号が赤になり、詰め寄る様に俺が言うと、紗耶香は嘲笑ったような表情を俺に向ける。
「もう今更どうでもいい。だってあなたはそれを信じたんでしょ。それが全てよ」
その言葉に俺はぐさりと胸をえぐられる様な気がした。
それ以上何も言えない俺に、紗耶香はもうそれ以上話すことはなかった。