捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「お茶でいい?」
優しくお母さんが俺に声を掛けてくれる。

「あっ、はい」
部屋にはたくさんの写真が飾られていて、俺は吸い込まれるようにそこへと足を向ける。
小さい頃の紗耶香と弟の写真に加え、瑠偉の笑顔の写真もたくさん飾られていた。
どの写真も紗耶香も瑠偉もご両親も笑顔で、俺の代わりにたくさんの愛情を注いでいてくれていたことが解る。

「写真がいっぱいでしょ? お父さんの趣味なの」
ジッと見ていた俺に、お母さんはテーブルにお茶を置くと俺の側へとやってきた。

「どれも笑顔で素晴らしいです」
素直に答えると、お母さんは俺の顔をジッと見た。

「やっぱり祥吾くんのお家ぐらいになると、色々大変だった?」
この間は自分の今の会社のことしか言わなかったが、きっとあの後可愛い娘の相手がどういう人間か調べたのだろう。東和電機と出てさぞびっくりしたと思う。
< 135 / 251 >

この作品をシェア

pagetop