捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「ああ。心当たりが?」
その言葉に村本は小さく頷くと、目を伏せた。運ばれてきたコーヒーに視線を向けると、村本はいきなり深々と頭を下げた。
「いくら新人だったとしても、監査として許されない事をしました」
「どういうこと?」
静かに問いかければ、村本は小さく息を吐くと口を開いた。
「仕事をまだ覚えていないのに、長谷川部長からチームに抜擢されたときから不安だったんです。どうして僕がって」
それはそうだろう。誰でも思う事だ。
「でも、当時の部長も経験になるからと言われ、僕は入りました。しかしチームとは名ばかりで、何も確認をしないまま、サインをするように強要され……。そこにはなぜか立花さんが情報を流したということが書かれていました」