捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
それから一週間、私はただ引き継ぎをするだけで、常務の仕事からはすべて外された。
秘書課の席で、ひたすらパソコンに向かう日々はある意味助かっていた。
検査薬をした次の日の土曜日、私は近くの婦人科に受診をしていた。
そこではっきりと妊娠していることを告げられた。最低な状況での妊娠だったが、私のなかに生まれた感情は嬉しいということだった。
本当だったら、常務に話をして産む許可が欲しかったが、婚約が決まった今、そんなことを言えば邪魔なだけだろう。
そんな時にこの異動は私にとってはありがたかった。
とりあえず事例通り移動はするも、1か月後には退社をする旨を人事に伝えるとあっさりと了承された。こんな状況なので辞めることは内密にして欲しいと願い出れば了承される。
人数も多い会社ならば、下っ端の社員一人辞めたところで何ともないのだろう。
引継ぎを終え、翌週には三人しかいない資料室への勤務になったが、ほとんど誰も来ない上に、悪阻も始まった私にとって、淡々と資料の整理やパソコンの入力はありがたかった。
誰かに会えば色々と詮索をされるに決まっていたし、忙しくないこの部署は色々と今後のことを考えたり準備するのには適していた。
そんな感じで、あっというまに1カ月は経ち、結城さんや秘書課のメンバー、そしてもちろん祥吾さんにも何も言わず私はひっそりと退社した。