捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「昔とは違うその恰好もあの男の趣味か?」
どこまでも最低な言葉を並べるこの男に、すべてを奪われたことに苛立ちが募る。今はあの時みたいに弱くはない。睨みつけるように祥吾さんを振り返ると、彼は彼で私を睨みつけていた。
こんな再会になるなんて全く想像もしていなかったが、これが現実だ。
「あの男は専務だろ? 俺は今社長になった。また俺にするか?」
蔑むような言い方をされ、私は会社の前ということも忘れて掴まれていない方の手を振り上げていた。
もう少しで祥吾さんを平手打ちしようとするのを、後ろから止められる。
「やめておけ」
静かに言われたその声に、私は泣きそうになってしまう。
「専務……」