捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「話してみないか?」
専務の言葉に、私はこれから仕事をするならば話しておかなければいけないと判断する。
小さく頷く私に、専務は三井さんに声を掛ける。
いつの間にか、タワーマンションに着いていて、専務の家だということがわかった。

「あの、奥様にご迷惑……」
驚いて口を開いた私に、専務は私をジッと見据えた。
「外でできるような話じゃないんだろ? 立花がそこまで狼狽するなんて」
冷静な女を演じてきた私が、これほど取り乱すことなど今までなかった。だからこそわかってしまうこともある。

「はい」

「それに俺は鏡花にすぐ帰るっていってしまったから」
場を和ませるように言った専務に、私は少しだけ心が楽になる気がした。
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