捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「ご相談なんですが、紗耶香さんも仕事していますし、私も多少忙しい身です。この近くに引っ越そうと思っておりますので、今までと変わらず瑠偉のお迎えなどお願いすることはできますか?」
祥吾さんの申し訳なさそうな表情に、今度は母がパッと喜んだのが分かった。
「もちろんよ、紗耶香が終わったら瑠偉を迎えにこればいいわ。近くに引っ越すなら安心ね」
こうなることがわかっていて、話を進め私に逃げ道を作らないこの人が怖くもなる。
もはや、これで私は結婚をし、この近くに住むことまできまったのだから。
五年前は私が騙され、今度は両親まで。
しかしそんなことを今更後悔しても、私は瑠偉を守るためなら何でもする。
隣で笑うこの人を、平手打ちしたい気持ちを抑えつつ、私は笑顔を張り付けていた。