嫁入り前の懐妊契約~極上御曹司に子作りを命じられて~
美琴はチケットを見て、歓声をあげた。
「これ、行きたかったやつです! 着物の歴史展覧会」
室町時代の小袖から歴史上の人物が実際に着用していたもの、現在デザイナーがつくる最新流行の着物まで、着物の歴史がすべて網羅されている素敵すぎる展覧会だった。妊娠のバタバタで開催期間に入ったことをすっかり忘れていた。
「それはよかった。ただ、絶対に無理はするなよ。具合が悪くなったらすぐに言うこと」
「わかってますよ~」
礼に子供扱いされて、美琴はちょっとむくれた。そんな美琴を見て、礼はふっと頬をゆるめる。
「心配なんだ。君は意外と強情なところがあるから」
礼は美琴の肩を抱き寄せると、耳元で小さくささやいた。
「夜は素直なのにな」
「れ、礼さんっ」
美琴の顔が真っ赤に染まっていく。赤く色づいた頬に礼はそっと唇を寄せた。
「体調が万全になるまではこれで我慢しておく」
少年のような彼の笑顔に美琴の胸はきゅんと甘くうずいた。これ以上好きにならないようにと必死で気持ちを抑えているのに、彼はほんの一瞬で美琴の心を奪っていく。
「これ、行きたかったやつです! 着物の歴史展覧会」
室町時代の小袖から歴史上の人物が実際に着用していたもの、現在デザイナーがつくる最新流行の着物まで、着物の歴史がすべて網羅されている素敵すぎる展覧会だった。妊娠のバタバタで開催期間に入ったことをすっかり忘れていた。
「それはよかった。ただ、絶対に無理はするなよ。具合が悪くなったらすぐに言うこと」
「わかってますよ~」
礼に子供扱いされて、美琴はちょっとむくれた。そんな美琴を見て、礼はふっと頬をゆるめる。
「心配なんだ。君は意外と強情なところがあるから」
礼は美琴の肩を抱き寄せると、耳元で小さくささやいた。
「夜は素直なのにな」
「れ、礼さんっ」
美琴の顔が真っ赤に染まっていく。赤く色づいた頬に礼はそっと唇を寄せた。
「体調が万全になるまではこれで我慢しておく」
少年のような彼の笑顔に美琴の胸はきゅんと甘くうずいた。これ以上好きにならないようにと必死で気持ちを抑えているのに、彼はほんの一瞬で美琴の心を奪っていく。