消えない傷・消えない痛み
**すくすく
美桜のお腹は、五ヶ月を過ぎた。
両親も暖のお義母さんも
凄く喜んでくれて
生まれてくるのを
楽しみにしていた。
そんな時
潤天堂大学のスタッフの人達が
話しているのが
耳に入った。
伊織が日本へ帰国したんだ。
自分の実家の甲斐総合病院と
潤天堂大学病院を掛け持ちして
いるようだ。
彼女も出来て落ち着くと
帰ってくるんだ。
もう······関係ない····ね。
私は、暖と赤ちゃんの為に
生きていくのだから。
暖、私達の赤ちゃんは
今日も元気だよ。
と、空に向かい話す。
そんな私を
教授は、心配するが
私は動ける間は
働いていたかった。