寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
「はい。」

急いで保さんの馬車に乗って、私は元来た病院への道を、駆け抜けた。

病室に駆け付けた時には、お医者様が母の側にいた。

「先生!母は!?」

すると先生は、何も言わない。

私は、真っ白になった母の顔を見た。


「お母さん。」

「……小花?」

母は、私に手を伸ばした。

「小花。よくお聞き。」

「なに?」

「保さんと、何があったとしても、側を離れてはいけないよ。」

もう手も冷たい。

「花は、与えられた場所で、一生懸命咲くんだ。それを忘れてはいけないよ。」

そう言って母は、事切れた。


「お母さん……」

止めどなく涙が出てきて、先生は母に、白い布を被せた。

私はまだ温かい母の手を、一生懸命握りしめた。
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