寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
そんな私の側にいてくれたのは、誰でもない保さんだった。

「小花。今日は一緒に、病院へ泊まろうか。」

「保さん。」

泣きそうな顔をして、保さんは私を抱き寄せた。

「小花の居場所は、僕の腕の中だよ。いつでもどんな時も、僕の側を離れないでくれ。」


初めて、人前で泣きじゃくった。

母を失った悲しさと、保さんに愛されている嬉しさで、私は胸がいっぱいだった。


母の葬儀は、翌日に行われた。

帰った場所は、あの母と一緒に過ごした家だった。

もちろん、隣のおばさんも、薬屋のおじさんも、母の葬儀に来てくれた。

「皆さん、ありがとうございました。」

すると隣のおばさんが、私を呼んで家の隅に連れ出した。

「小花ちゃん、これからどうするんだい?」

私は大きく深呼吸をした。

「保さんの元に帰ります。」

「いいのかい?込み合った話を聞いた分、おばさん、心配で。」

「いいんです。そうした方が、母も喜ぶと思うので。」

私は道端に咲く、小さな桃色の花を見つめた。
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