寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
「何でしょう。小花様。」

私の名前を覚えてくれている。

胸がじーんとなる。

よし!この人に決めた。

「私の部屋に来て。」

「は、はい。」

そしてその女中さんを連れて、自分の部屋に戻って来た。


「早速だけど、あなたのお名前は?」

「ちよと申します。宜しくお願い致します。」

「ちよさん。いきなりで、申し訳ないんだけど!どうすれば、殿方を誘惑できるの?」

「ええっ?」

ちよさんは、飛び上がる程驚いた。

「そ、そう言う事は、直接坊ちゃまにお聞きください。」

「そんなの、恥ずかしくて言えないわ!」

ちょさんが、じーっと私を見る。

「小花様は、もしかして殿方と枕を共にするのは、初めてですか。」

「うん。」

ふむふむと、ちよさんが頷く。

「それでは余計、坊ちゃまの言う通りにしておけば、よろしゅうございます。」

「うーん。だけど、それを待っていたら、子供ができないのよ。」
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