寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
今度は、うーんとちよさんは唸った。

「そんなに直ぐに、子供が欲しいですか。」

「それが私の勤めだって、徳次郎さんに言われたわ。」

「なるほど。」

ちよさんは、またうーんと頷いて、手をポンと叩いた。

「正直に、子供が欲しいと、仰ってみては?」

「きゃああ!大胆!」

「そうすれば、あの控えめな坊ちゃまも、その気になりますよ。」

私は、ちよさんの言葉が気になった。


「保さんは、控えめなの?」

「そうなんですよ。あの容姿ですから、お嬢様達から声を掛けられる事は多々あるのですが、どれも無視しているのです。」

「じゃあ、保さんは女性経験がないの?」

「それはないと思います。」

私は目が点になった。

「どうしてそう言えるの?」

「パーティーで、マダム達と入り浸っているのを見ましたし、それに……」

そう言ってちよさんは、口に手を当てた。

「っと、この後の続きは、直接坊ちゃまに。」

「あっ、ちよさん。」
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