寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
私は屋敷を出ると、歩いて母の病院まで行った。

道のりは遠い。

でも、もうあの屋敷にはいられないと思うと、不思議に疲れもしなかった。


病院に着いた時には、もう陽が暮れていた。

私は2階にある母の病室を訪ねた。

「ああ、小花かい。」

母は、笑顔で私を迎えてくれた。

「ごめんね、お母さん。なかなかお見舞いに来れなくて。」

「いいんだよ。あなたにはもう、新しい生活があるんだから。」

お母さんは、そう言いながらも、私に手を差し伸べてくれた。

「今日はいい日だね。小花の顔が見れた。」

「お母さん。明日からは、毎日来るからね。」

そう言うと母は、何かを察したのか、起き上がった。

「小花。旦那様と上手く行っているかい?」

「……ええ。心配しないで。」

「それならいいんだけど、何かあった?」

優しく問いかける母に、私は遂に涙を零してしまった。

「私ね、あの屋敷を出て来たの。」

「小花……」
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