愛され王女は王の道をゆく
追い詰められているにも関わらず、余裕を見せるアナスタシア。
流石、歴代で初めて女王となっただけのことはある。
対し、未だ野心をチラつかせるアルバート伯爵は、丁寧な口調に見えて、まるで勝利を確信しているかのようだ。
「さてさて、若造はどっちなのかしらね?」
「ご覚悟を……」
剣先を向けるが、それでも余裕の構えを崩さないアナスタシアに、アルバート伯爵は焦りにも似た何かを感じる。
すっかり、主導権が交代していることにも気付かず、アルバート伯爵は最後の力を振り絞り、アナスタシア目掛けて斬りかかった。
この一撃で自分は死ぬかも知れないが、あとは後輩たちがどうとでもしてくれると信じての行動だった。
それが、叶わぬことだとも知らずに。
「さようなら。麗しき王女殿……っ!?」
アルバート伯爵の剣が、アナスタシアの首筋を捉えた瞬間。
剣が中程で折れ――否、切れて、アルバート伯爵はその身に斬撃を受けた。
そのまま、強い衝撃と共に後ろへと吹き飛ばされる。
首を懸命に動かし女王を見れば、彼女の手には光り輝く剣が握られ、片足は振り抜かれていた。
どうやら自分の体は、柔い女王に蹴り飛ばされたらしい。
そこでアルバート伯爵は気づく。
アナスタシアには、隠れた魔術の才があるようだ。
でなければ、アルバート伯爵が蹴り飛ばされることなどありえないだろう。
流石、歴代で初めて女王となっただけのことはある。
対し、未だ野心をチラつかせるアルバート伯爵は、丁寧な口調に見えて、まるで勝利を確信しているかのようだ。
「さてさて、若造はどっちなのかしらね?」
「ご覚悟を……」
剣先を向けるが、それでも余裕の構えを崩さないアナスタシアに、アルバート伯爵は焦りにも似た何かを感じる。
すっかり、主導権が交代していることにも気付かず、アルバート伯爵は最後の力を振り絞り、アナスタシア目掛けて斬りかかった。
この一撃で自分は死ぬかも知れないが、あとは後輩たちがどうとでもしてくれると信じての行動だった。
それが、叶わぬことだとも知らずに。
「さようなら。麗しき王女殿……っ!?」
アルバート伯爵の剣が、アナスタシアの首筋を捉えた瞬間。
剣が中程で折れ――否、切れて、アルバート伯爵はその身に斬撃を受けた。
そのまま、強い衝撃と共に後ろへと吹き飛ばされる。
首を懸命に動かし女王を見れば、彼女の手には光り輝く剣が握られ、片足は振り抜かれていた。
どうやら自分の体は、柔い女王に蹴り飛ばされたらしい。
そこでアルバート伯爵は気づく。
アナスタシアには、隠れた魔術の才があるようだ。
でなければ、アルバート伯爵が蹴り飛ばされることなどありえないだろう。