朝戸風に、きらきら 4/4 番外編追加
心拍がこれまでの比じゃないくらい強く身体に響くように打ち付けている。
漸く唇を解放されて、ホッと息を吐いたら直ぐ側で私を瞳に映す男がそのまま首筋にもキスを落とす。
肩に力を入れながらその熱を感じていると、少しずつ身体が傾いて、背中を受け止めてくれる優しい衝撃があった。
その瞬間、ソファが深く鳴る。
「…、依織、」
私を間近で見下ろす男の瞳に、やっぱり捕らえられる。
身体の重さは感じてないけど、私の顔の直ぐそばに両肘をついて、足がゆるく絡み合ったこの姿勢は、押し倒されているのだと実感したら、また身体の熱さが増した。
これは本当に、急が過ぎる。
相変わらず動悸が止まらない中、それは全然嫌じゃなくて、だけどスピードについていけていない自分もいる。心臓発作で死ぬのかもしれない。
__それに。
「い、依織。」
「なに。」
「お風呂、入りたい。」
「………一緒に?」
「!?」
せめてそれだけはと、意を決して伝えたら、鋭い眼差しのまま尋ねられてしまった。
言葉の畳み掛け方が、どうかしてる。
目を開いて違うと首を横に振ったら、つまらなさそうな顔で一度だけ、おでこに唇を寄せられた。
「じゃあ今日は、お前先入れば。」
「今日は……、」
今後は、"そのような"可能性があるということか。
深く聞くのはやめて、ただ瞬きをしたら、もうずっと愉しそうな男にぐい、と腕を引かれて上体を持ち上げられた。
「風呂、廊下出て直ぐ左な。」
「……はい。お借りします。」
「その。」
「ん?」
「なるべく早く戻って。」
「え、」
もうあんまりこれ以上は、我慢が効かない。
唇が殆ど触れた距離でそう呟いた男が、その言葉を食べさせるみたいにまた急にキスをしてくるから、
ただそれを結局、受け止めた。
本当に、このまま発作で死ぬのかもしれない。