朝戸風に、きらきら 4/4 番外編追加
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「……、ん、」

「あ、起きた。」


眩しさが瞼を撫でる感覚に気がついて、そっと上に持ち上げる様を直ぐ傍で見ていたのか、男の声が聞こえてきた。

視界を占領してくる整った顔は、頭がまだぼうっとしたままの私に珍しく屈託なく笑いかけて、腰のあたりに回していた手で自身の方へもっと引き寄せてくる。

なんというか、身体ぜんぶの重だるい感じが明らかに残っていて、それと同時に自分が着ている服はこの男のスウェットだと知った。

着せてくれたのだろうか。
昨日のことを、最後の方はもう正直、思い出せない。

結局長い時間、この目の前の男に暴かれ続けていたような気もするけど、目立って抵抗も出来なかった。


ふわりと私の頬を撫でて、それから髪を軽く乱してきた男が、起き上がってベッドサイドに置いていたミネラルウォーターを手に取った。

自身が口にした後、飲む?と促され、こくりと頷いて私も上半身を起こそうとして、やはり力がうまく入らなかった。半端に身体を起こそうとした後、またシーツにぽすんと沈んでしまう様子に笑ってきた依織を睨む。

「無理させた自覚は一応ある。」

「……、」

自覚あったのか。
だけど、嫌じゃなかった、全然。

それは恥ずかしくて言えなかったから曖昧に目を逸らしたら、その拍子に、くいと腕を掴んで起き上がらせてくれる。

手渡されたペットボトルに口付けると、片膝を立てて座っている男からの視線を感じた。


「…その。」

水を含んでいたから、視線だけで、ん?と続きを促すと、やっぱり優しく頬を片手で擽られた。

「おはよ。」

「……、」


『元気な”おはよう”ばっかりじゃなくて良いから。

前みたいに、俺も朝一番に
お前の"おはよう"、聞きたい。』


この男と、大切な約束をした。

少し喉を潤して、水をサイドテーブルに置いた後、もう一度視線がぶつかると、「なに。」と、目を細めつつ気恥ずかしそうに伝えられる。

ずっと、待たせてきた。
待っていてくれた。


___私は、この人に、思ったよりも前から、
とても、愛されていたのだろうか。


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