ピグが生きた一年半
雨の出会い
やがて降り出した雨が、

傷ついた子猫の体を

何度も叩く。


ぶるぶるぶるぶる

子猫はふるえていた。


突然大きな影が、冷たい

雨をさえぎった。


「あれ?猫か?これは

ひどい」


団地に住む中年男が、

必死に生きようと

もがき苦しむ子猫を

見つけた。


「かわいそうに、おじさん

のところに来るかい?、

ほんとは団地じゃ飼えない

んだけどね」


男は両手で優しく抱え

あげた。


子猫は、やわらかいバス

タオルの上で、やっと

自分が安全な場所に

たどり着けたことを

知った。
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