ピグが生きた一年半
心の傷
男はその子猫に『ピグ』と

名付けた。


猫の生命力はとても強い。


ピグは2、3日で、元気を

取り戻し歩けるぐらいに

回復した。


ピグは、とても臆病で

気難しい性格だった。


人に触られるのが大嫌い。


自分から近づいてくることは

めったになく、

いつも部屋の隅っこでじっと

していた。


なつかない、というより、

ずっと何かに怯えているようだった。


「無理もない、ずいぶん

ひどい目に会ったんだから」

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