ピグが生きた一年半
猫は気まぐれ
しかし、ピグは遊び

終わるといつも、

ねずみをどこかへ隠して

しまう。


こちらから遊んでやろうと、

ねずみを探しても

見つからない。


自分が遊びたくなった

ときだけ、出してきて

音を立てる。


男はピグが遊びたくなる

ときってどんなときか

知りたくなり、

様子を時々観察してみたが

ぜんぜんわからなかった。


猫は気まぐれ。そう諦めた。



カランコロン


いつもふいに聞こえる

この音が、ピグとの遊び

時間の合図。


普段とても物静かで無口な

男も、この時間だけは

一緒になってはしゃいだ。
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